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消えろ、消えろ、消えろ、

束の間のともし火

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人生は歩き回る 影法師 

綺麗は汚い、汚いは綺麗。

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ねえ、貴方たちは知りたいんでしょう──

史上最悪の殺人鬼、女王蜂のことを。

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​「パノプティコンってご存知かしら。中央の監視台を取り巻くように、まるで蜂の巣みたいにぐるりと独房が並んでいる円形の監獄。コロセウムのような、円形劇場のような、そんな形の監獄のことを、パノプティコンって呼ぶの。囚人たちはコロセウムの観客であり、中央にたたずむ看守は役者ってところかしら。けれど違うのは、本当は観客こそが、監視台から見られているんだってこと──」

史上最悪の殺人鬼・女王蜂。シェイクスピアの台詞が散りばめられた歌。人は自らの幕引きまで、物語の中に演じ続ける影法師。あまりにも純粋で無垢なる魂は、清らかなる狂気。彼女が〝史上最悪の殺人鬼〟と呼ばれる理由に気づいたとき、貴方はこの幕引きの意味を知るだろう──

2021年初演、ある犯罪者の独白によって紡がれる怪作ミュージカル。主演・女王蜂役のしひろが演出を手掛ける異色の再演版、2023年6月上演決定!

初演版ダイジェスト映像

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女王蜂 

しひろ

ある記者の手記 #1

〝史上最悪〟の犯罪者。
この記事をお読みの読者諸兄は、かの大罪人として、世間をにぎわせた彼女のことは勿論ご存知であろう。
舞台が好きで、純粋無垢な少女であった彼女。その清らかで美しい魂の持ち主が、なぜあれほどまでに凄惨で残虐な、前代未聞の事件を引き起こすに至ったのか。慌てるなかれ、彼女の独白によって、真実のすみずみまでもが明らかになることだろう。

影法師ウルド / 蛇女

マナ

ある記者の手記 #2

見世物小屋の蛇女。
諸君のご想像の通り、猥雑で不埒なあの見世物小屋である。まるで蛇のウロコのような肌と毒の血を持ち、一座の花形でもあったというこの蛇女は、驚くなかれ、あの犯罪者・女王蜂の母親であったというのだ! ああ女王蜂よ、なんと哀れな運命に生まれつき、神はなんという試練を与えたもうたのか! 毒の血が入った小瓶が、蛇女の象徴であるようだ。

影法師スクルド / 婚約者

みき

ある記者の手記 #3

女王蜂の婚約者。
賢明なる諸兄においては、羨むことなかれ。裕福な家に生まれ、華やかできらびやかな上流階級の好男子でございというわけ。いわゆるところの『愛』とは何かを知る男である。なんとも羨ましい? いいや、そうとばかりも言えないのが面白いところであって……おっとこの先はとくとごろうじろ。どうやら気取ったステッキが、彼の象徴でもある様子。