白橡の森

十九世紀と二十世紀の狭間。ロンドン郊外に、ひっそりとたたずむ森──そこでは、
《死者の声》を聞くことができるという。
精神科医であるヘンリー・スティーヴンソンは、百合の香りが立ち込める《白橡の森》へと足を運んだ。小川のほとりにある館で、メアリ・ミラーの執り行う降霊会に参加するために。

降霊会に集まった四人の人々。館の主人、ミセス・メアリ・ミラー。フォード商会の跡を継いだアーサー・フォード。
新聞記者で労働者階級の青年、キース・ブラウン。そして精神科医のヘンリー・スティーヴンソン。
それぞれの思惑と二つの顔。ベラドンナの毒で死んだというミセス・ミラーの夫。百合の香りと、白い鴉が羽ばたく森。

果たしてその降霊会は真実か、偽りか。
次々と明かされる謎の先に、待ち受けるものとは──モノムジカが挑戦する、古典ミステリ風音楽劇。